同船釣行/奥村和正2007

-奥村 和正 –
株式会社デプス代表取締役社長。取材と製品開発で今期も超多忙を極めている。

ケンさん&ユキエさん

2008年7月8日、朝の天候は曇天。今年は琵琶湖取材で2本のロクマルを仕留めている奥村。結果だけを見れば好調に感じるが、釣り方とタイミングをひとつ間違えばノーフィッシュとなる、天と地が激しい当世の琵琶湖。
ゲストは埼玉県から来てくれたケンさん&ユキエさん。憧れの奥村と同船、また未経験の動力船での釣行で緊張が隠しきれない様子。果たしてゲストのロッドに反応は出るであろうか———。


ウィードだと思っていた1投目!

今にも雨が降り出しそうな鉛色の空。奥村は赤野井シャローに向かうがエンジンスローのまま一瞥(いちべつ)して見切った。トップウォーターの選択肢にわずかな望みを賭けていたのかもしれない。次に向かった下物でエレキを降ろす。「とりあえずスピニング!ネコリグか、スモラバ。」
朝イチからスモラバ?少々耳を疑ったが、かなり渋いと感じ取ったのだろう。

ユキエさんの1投目。「魚ちゃうやんな?」ラインの先が微妙な動き。そのとき、いきなりドラグが走る…「あれ?あれ?」実はウィードではなく50cmクラスのバスなのだが、最初ウィードに絡まっていたこともあり、姿を見るまで全員かなり半信半疑でした(笑)。
タフコンディションの中、一投目で来たファーストフィッシュが50cmクラスは上出来!

見事?!朝イチ1投目で、48cmの琵琶湖バスが釣れました。

ユキエさんのタックル
ROD:サイドワインダーHGCS-60MHFデスブロー
LURE:R.R.ラバージグ4g#46オレンジバグ+デスアダーホッグ3inch#19デッドシャッド(アンビレッグでウィードレス・チューン)

風はぬるい西風。ロッドを立てると「ビィ〜ン」と雷が近づいてきたとき特有の嫌な音がし始めた。危険を察知した奥村はマリーナに緊急避難。その数分後、とてつもないドシャ降りと落雷。早めの判断がなければ、この豪雨に襲われていたことだろう。

ヘッドロックジグのボトムバンピングが炸裂!

激しい雷雨も止みようやく釣行再開。下物の好スポットをチューブリンガー(プロト)のジグヘッドや、キンクーネコで流していくがレギュラーサイズばかり。サイズアップを図るため、3/4ozのヘビーヘッドロックジグにチェンジする。
…これが貴重なバイトへと繋がった!

ヘッドロックジグ3/4ozにきた50UP!

ヘビーウェイトジグなら、フォールスピードが早く、リアクション要素を高めることができる。低弾道ボトムバンピングで手早く探り、ウィードが絡み付いたらカット、即座にフリーフォール。ウィードの根元までしっかりジグを送り込めたことが好結果につながった。
補足すれば、ジグのタイプ、ウェイト、カラー、トレーラーの組み合わせは、いくつか試してみたほうが釣果につながりやすいだろう。狙いのフィールド状況や、風などタイミングの分析は必須。動かし方にもイメージが必要、奥村はあえてアクションを一定にせず、緩急をつけて毎回微妙に変化をつけていた。

上の写真は、このとき同じく奥村が多投していたフラットバックジグ3/4oz+デスアダーグラブ ツインテール

奥村のタックル
ROD:サイドワインダーHGC-70XFスーパーボーダー LURE:ヘッドロックジグ3/4oz#37スケールブラック+デスアダーホッグ5inch#18ブルーマロン LINE:スーパーハードストロング20lb

アウトクロスに、ヘッドロックジグ3/4ozを結んでキャストを続けるものの、いまだにバイトの無いケンさん。エビモとカナダモが群生するエリアの攻略は未体験、重く絡み付くウィードに悪戦苦闘。しかしウィードを切るロッドさばきが、徐々に手際よくなってきた。
そのとき、待望のバイトが訪れる!

ユキエさんに「でかいの釣ってね」と言われてしまい、ちょっと焦り気味だったケンさん。やったね!

ケンさんのタックル
ROD:サイドワインダーHGC-67XRアウトクロス LURE:ヘッドロックジグ3/4oz#37スケールブラック+デスアダーホッグ5inch#18ブルーマロン

— バスの口に入っていたものとは… —
これまで同船釣行の取材では、バスの口の中にギルが入っていたり、釣り上げた瞬間に口から石が出てきたことがあった。今回は3cmほどの貝。ボトムにいたザリガニといっしょに吸い込んでしまったのだろうか?
この時季ウィードは陽射しを遮るシェードになり、隠れ処にもなる。さらに酸素の供給量も多く、エサとなるエビ類も多く集まってくることから、バスにとって過ごしやすいのであろう。ボトム付近に狙いを絞るべきヒントが垣間見えた。

手元の時計は午前9時、またしても雷雲が迫ってきた。ロッドを立てると静電気で指先にパチッと痛みが走る。ビデオカメラもビリッビリッというノイズを拾っている。大事をとって二度目の避難、マリーナへ戻った。
ミックバスクラブ事務所のテレビ気象速報が映した情報———滋賀県近江南部に大雨洪水雷警報 発令…。


午後はシャローに移行

あれだけ荒れた天候も昼頃には回復。しかし雲間から太陽が顔を出すと、汗が噴き出すほどの蒸し暑さ。とてもレインウェアを着ていられない。
スモラバ、デスアダー、バズジェットでランガンすると、レギュラーサイズがバイト。
サイズは上がらないがタフコンディションの琵琶湖を楽しむこともできた。

「デカいルアーには何かある。」と睨んでいる奥村。最近は特に使うルアーのサイズが大きくなってきている。ボックスから取り出されたのは全長30cmの巨大ルアー“ビリーバー13inch”。マスキー(アメリカ カワカマス)やパイクなどをターゲットに開発されたルアーだが、奥村はデカバスに対して有効性を感じているようだ。ルアマガ9月号の取材記事でも登場。

そしてなんと、このビリーバー13inchにロクマルクラスのチェイスが!…しかしバイトには至らず。

そして夕刻を迎え、釣行は終了となった。良い時間帯を悪天候で潰してしまいもどかしい釣行ではあったが、タフコンディションの中55UPを獲ってもらえたことに、奥村も安堵した表情だった。


ケンさんからのコメント
お世話になりました!当選メールが来たときは嬉しさのあまり仕事をプチ放棄しました。初めての琵琶湖が奥村さん同船とは、ラッキーボーイですよね。ロクマル釣ってやるという野望でしたが琵琶湖見た瞬間、広すぎて何していいか分かりませんでした。当日の悪天候にも笑えました。相方も奥村さんも釣って、「俺だけ釣れないってオチかよ」って思ってたら!…その先は頭が真っ白で覚えてません。ホント楽しい事だらけでかなり満喫できました。関東だとストロングスタイルの釣り人があまりいないので、話を聞いてても楽しいし、勉強になりました。またいろんな雑学や釣り話を聞きたいっす。全てが思い出になる事ばかりで、奥村さんやdepsスタッフの方々にはホントに2人で感謝しています。色々ありがとうございました。

ユキエさんからのコメント
先日は大変お世話になり、ありがとうございました。琵琶湖に居た数日間は夢のようでホントめちゃめちゃ楽しかったぁ〜♪緊張から、前日はサッパリ眠れませんでした…いざ出発!初めてのバスボートで奥村サンのコブラに乗れるなんて、ウチらはなんてラッキーなんだろっっ運転してる奥村サンめちゃめちゃかっこよかったぁ〜!1投目は緊張し過ぎて近場に投げてしまった…けど!なんと琵琶湖初バスちゃんゲッチュ、何が何だかわからんうちに釣れてしまった(笑) 雷雨に2回も遭遇して災難でした、ロッドを立てると「ジリジリ」鳴るのも初体験でかなり怖かったぁ〜。それとビックリしたのが奥村サンが投げてた、あのバカデカクランク!あんなのでホントに釣れるのぉ〜?って思ってましたが、バスが追いかけてきてました、さすが奥村サンっっ!残念な事にこの日は自己記録更新は出来なかったけれど、奥村サンと釣りをしていた時間は超楽しくって、アッという間に終わってしまいました…もっとこの時間が続けばいいのに…と思いました。ホント楽しかった琵琶湖遠征、ちょっと早い夏休みでしたが、最高の思い出が出来ました。ありがとうございました。